1. まずは社長さんの紹介から
秋田県南部にある羽後町は、町内に電車の駅はありません。バスだって隣町からやってくる1路線1日9本のみ。山間部の積雪は2mを超え、町内全域が特別豪雪地帯に指定されるほど過酷な冬の環境。
お世辞にも良いとは言えない交通の便、地勢や天候などの自然条件にも恵まれず、ゆえに産業も育たず、高齢化・人口減少が進むこの小さな町に、「この町だからこそ出来ることがある!」と2017年6月にクラフトビール会社が誕生しました。
(人口減少について少々説明を加えさせていただくと、2020年の国勢調査の結果、2015年からの5年間で私たちが住む秋田県の人口減少率は-6.2%(※1)と全都道府県の中で岩手・青森県を抑えて全国ワーストという事実があります。その秋田県の中でも、羽後町は秋田県全体の数字を大きく上回る-8.88%(※2)という人口減少率。つまり、羽後町は、日本が抱える地域問題の先頭集団をひた走っているのです。)
さて、人口というビジネスの基盤が今後10年で20%以上失われることが明白なこの羽後町で、さらに、夜中まで営業している居酒屋さんは町中見渡しても片手で十分に足りてしまうという過酷な環境を理解しつつ、地元密着の地ビール会社を作ろうというのだから、鈴木社長、ロックンロールな男です。
※1 総務庁統計局 令和2年国勢調査 -人口・世帯数(速報値)を公表- / ※2 秋田県企画振興部調査統計課 市町村別人口増減率 平成28(2016)年6月1日現在と令和3年(2021年)6月1日現在を比較
2. ”遊び心” で羽後町を元気にするビール
「豪雪」という過酷な自然条件を抱える羽後町ですが、反面それは豊かな水資源を意味します。そして、昼夜の寒暖差が大きいという気候条件と出羽丘陵の肥沃な大地が、豊かで美味しい野菜やお米、果樹などの農産物、山菜やキノコなどの山の恵みを育みます。羽後麦酒ではこれら大地の恵みを地元の農家さんから仕入れて、この町ならでは、秋田ならではのクラフトビールを醸造しています。
羽後麦酒のビールはビールファンの舌を楽しませるだけでなく、地元羽後町、秋田の農家さんを元気にするビールなのです。
3. スイカや桃!? 創造性豊かなクラフトビール醸造所!
これまでにリリースされたのは、羽後町名産のスイカや、ブルーベリー、イチゴを使ったビール。その他、酒米の山田錦や、春にはふきのとう、夏には菊、秋には桃等々、「本当にビールの原料なの?」といった農産物の名前が並びます。
こうしたクリエイティブな試みは、1回のバッチ(仕込み量)が約100リットルというマイクロブルワリーの羽後麦酒ならでは。また、地元の農産物を積極的に使うことで、秋田を、羽後町を元気にしようという鈴木社長のパブリックな情熱によって生み出されます。
4. 羽後麦酒の定番3商品
最後になってしまいましたが、定番商品は「ゴールデンエール」「ペールエール」「ベルジャンホワイト」の3種類。この3種が定番商品だということが斉藤社長のビール好きを物語っています。
羽後町産あきたこまち使用
ゴールデンエール「GA 001」
厳選してブレンドした麦芽に、羽後町の指定農家に育ててもらったあきたこまちを使用することでスッキリとした味わいに。クラフトビールならではのフルーティーさも感じていただけます。
クラフトビールの入門編
ペールエール「PA 001」
クラフトビールの入り口として味わっていただきたいとの思いからやさしい味わいに仕上げました。ゆったりとした時間にゆっくりと飲んでいただきたいビールです。ペールエールだけではありませんが、ビールも醸造酒ですから、温度変化による味の変化も楽しんでください。
フルーティーだから女性にもおすすめ。
ベルジャンホワイト「BW 001」
ベルギーで古くから作られてきたスタイルのビール。オレンジピールとコリアンダーを使い、白濁した色とフルーティーな味わいが特長。ビールが苦手な方や女性にぜひ飲んでいただきたいビールです。
5. 羽後町で楽しむ羽後麦酒
羽後麦酒はオンラインショップにて購入可能ですが、羽後町にいらした際はぜひ羽後町で羽後麦酒を楽しんでください。
◆羽後麦酒が飲める、買える観光スポット
- 羽後町 道の駅 端縫いの郷
- えのもと酒店
- あうん
- 炭炭(たんたん)
- UGO HUB